ワルファリンと納豆

ワルファリンと納豆

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12月2日(木曜日)

★ワルファリンと問題になる食材

皆さんはワルファリンというお薬をご存知でしょうか。ワルファリンは血液をサラサラにしてくれるお薬なのですがクロレラやほうれん草、海苔、納豆などとの食べ合わせが良くありません。上記にあげた物の中でも納豆との食べ合わせは非常に問題になります。今回はなぜ、納豆を含むこれらの食材との食べ合わせが問題になるのかお話ししたいと思います。

★ワルファリンの作用機序

そもそもワルファリンはどのように体内で働き、血液をサラサラにしているのかと云うと、血液を固める為の凝固因子という体内物質の合成を阻害しているのです。凝固因子はビタミンKを材料に作られます。ワルファリンはビタミンKとよく似た構造をしており、ビタミンKにすり替わって凝固因子の材料になります。ワルファリンが混ざると正常な凝固因子は作られなくなり血液は固まりにくくなります。

↑体内で血栓ができる流れ

↑ワルファリンが血栓の合成を阻害するイメージ図

★上記の食品の食べ合わせが問題になる理由

本題の納豆やクロレラ、ほうれん草などの食品が問題になる理由は、これらの食べ物にはビタミンKが多く含まれているからです。ワルファリンはビタミンKの代わりに凝固因子の材料になる事で血液をさらさらにしますがビタミンKを大量に摂取してしまっては効果が減弱してしまいます。

★とりわけ納豆が問題になる理由

納豆はビタミンKの含有量が非常に高いです。何故かというと納豆菌がビタミンKの生合成を行っているからです。そして納豆菌が生菌である事が一番の問題で、体内に取り込まれた納豆菌は腸管内でビタミンKの合成を始めます。腸管で生成されたビタミンKは人体に吸収されます。結果、もともと納豆に含まれていたビタミンK以上にビタミンKを摂取する事になるのです。