薬剤耐性乳酸菌 製剤って何?

薬剤耐性乳酸菌 製剤って何?

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皆さんは薬剤耐性菌って知っていますか。

 

一例として以下の様な物が挙げられますが要略すると

抗生剤に耐性を獲得した厄介な菌の総称です。

●バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 / VRSA

●バンコマイシン耐性腸球菌感染症 / VRE

●メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 / MRSA

●ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 / PRSP

 

これだけ聞くと薬剤耐性菌って悪いように聞こえますが

薬剤耐性菌は医療現場で医薬品として使われる事もあるのです。

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皆さんは抗生剤を服用した事がありますか。

抗生剤は身体に潜むバイ菌をやっつけてくれるお薬ですが

腸管内に元々住んでいる良い菌にも悪影響を及ぼす事があります。

それが副作用として腹痛や排便障害と云った胃腸障害になる事もあります。

そこで利用されているのが薬剤耐性乳酸菌なのです。

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抗生剤のみを服用すると殆どの一般細菌君が病原菌君と一緒に死滅して腹痛などの原因になります。

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抗生剤と通常の乳酸菌製剤を一緒に服用した場合、抗生剤によって一緒に服用した乳酸菌も死滅してしまいます。

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抗生剤と薬剤耐性乳酸菌製剤を服用した場合。

抗生剤によって胃腸に潜む菌は不活化されますが薬剤耐性乳酸菌は生き残ります。

生き残った彼らが胃腸の調子を整えてくれます。

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このように薬剤耐性菌は厄介な存在でもありますが、逆にその性質を医薬品として

応用している製剤もあるのです。

薬はリスク、毒にもなり得ますが耐性菌と云う「毒持って毒を制す」という言葉を

体現したお薬ではないかと思います。

 

最後に幾つか薬剤耐性菌を利用した医薬品の一例を紹介します。

医薬品によってどの抗生剤に耐性がある乳酸菌かは異なりますので注意してくださいね。

レベニン:ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸

ビオフェルミンR:ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸

エンテロノンR:ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸

ラックビーR:ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、ナリジクス酸