上図 日本漢方生薬製剤協会より引用
2月26日(土曜日)
皆さんは漢方薬を服用していますか。漢方は様々な生薬が一定の割合で配合されたお薬ですが注意点があります。それは幾つかの漢方を同時に服用する事です。複数の漢方を同時に服用すると同じ生薬が入っていた場合、効果が増強しすぎてしまったり、生薬の配合の割合が変わってくるので理想的な効果を得られない事があります。
今回紹介したい注意して欲しい生薬は甘草という植物由来の生薬です。
甘草は古くから甘味剤として知られており、名前の通り甘い味のする植物です。漢方薬としては味の変調などに使われてきた歴史があり、代表的漢方「芍薬甘草湯」はこむら返り等にも効果あると言われています。
しかしこの甘草に含まれるグリチルリジン酸は摂取しすぎると偽アルドステロン症を起こすと言われています。偽アルドステロン症になると「高血圧」「むくみ」「低カリウム血症」などの症状が起きる事がわかっています。初期症状として「手足のだるさ」、「しびれ」、「つっぱり感」、「こわばり」がみられ、これらに加えて、「力が抜ける感じ」、「こむら返り」、「筋肉痛」が現れて、だんだん症状が重くなります。
↓甘草が含まれる漢方の一例
芍薬甘草湯を初めとして、葛根湯、乙字湯、十味敗毒湯、小柴胡湯、半夏瀉心湯、小青竜湯、麻黄湯、麦門冬湯、人参湯、補中益気湯、六君子湯、釣藤散、十全大補湯、抑肝散、桃核承気湯、酸棗仁湯、人参養栄湯、桔梗湯など、甘草は多くの漢方に含まれているので漢方の重複服用している方は注意してみると良いと思います。自分の漢方薬にも含まれているのか気になる方は薬剤師に尋ねてみてください。