ドーピングになる禁止医薬品

ドーピングになる禁止医薬品

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3月9日(水曜日)

皆さんはアンチドーピングという言葉を知っていますか。「スポーツにおいて禁止されている物質や方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとする行為」の事です。オリンピックなどの大会でドーピング検査に引っかかる選手もいる為、一度は聞いた事のある言葉だと思います。

ドーピングになる薬剤なんて危ない物で普通は摂取する事などないだろうって思っていませんか。実は一般的に用いられている医薬品の中にも禁止医薬品は沢山あります。

下記がドーピングに当てはまる事がある医薬品のカテゴリです。

【選手として活動している間は禁止される医薬品】

S1:蛋白同化ステロイド、男性ホルモン製剤

これらの成分は筋肉の生成を促す効果があり禁止されています。

S2:エリスロポエチン製剤、HIF活性化薬、成長ホルモンが含まれます。

エリスロポエチンは赤血球を増やし酸素運搬能力向上、成長ホルモン剤は身体の肉付きを良くする効果があり禁止されています。

S3:β2作用薬

これらの薬は交感神経を興奮させる効果がり禁止されています。喘息の治療薬などに含まれている事も多いです。

S4:ホルモン調節薬および代謝調節薬

SERMs、抗エストロゲン薬、インスリンが含まれます。女性ホルモンの量を調節したり、インスリンにより血糖値をコントロールする事が禁止されています。

S5:利尿剤及び隠蔽薬

利尿剤は禁止薬物を体内から素早く排泄する事から隠蔽薬として使用される事があり、それ以外の隠蔽も使用する事が禁止されています。

【競技大会中は禁止されている医薬品】

S6:興奮薬

エフェドリンやエフェドリン類似製剤、アドレナリン(局所使用は例外)などの薬が該当します。市販の医薬品や漢方製剤の麻黄に含まれている事もあり注意が必要です。

S7:麻薬

スポーツに関わらず医療用以外での麻薬の使用は日本では禁止されています。

S8:カンナビノイド

一般的にいうと大麻です。日本では麻薬同様摂取は禁止されています。

S9:糖質コルチコイド

プレドニゾロンなどのステロイド製剤が該当します。

【特定競技において禁止されている物質】

P1:β遮断薬

交感神経を抑制する事で心を落ち着かせたり、手先の震えなどを抑える事で有利になる繊細さが求められる競技において禁止されています。アーチェリーやビリヤード等の競技が該当します。

 

以上の様に中には、これもダメだったの!?と思える医薬品もあったと思います。具体的に何がドーピングに引っかかるか気になる人は専門薬剤師のスポーツファーマシーに聞いてみてくださいね

参考文献

https://www.toyaku.or.jp/health/usemedicine/nodoping_medical.html